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食事を減らしても体脂肪が落ちない方へ:インスリン分泌を適正化する秘訣を米フィットネス誌が検証

生活習慣病とも深く関連し、糖代謝やエネルギー代謝の調節において中心的な役割を担うホルモンであるインスリンについて、私たちは知っているようで知らないことが数多くある。

そこで、本記事では米フィットネス誌が「インスリンをコントロールして体脂肪を減らす秘訣」について検証した内容をわかりやすく紹介する。

(IRONMAN2025年11月号「from IRONMAN USA」より転載)

 

低糖質ダイエットは効果があるのか?

アメリカが抱える社会問題の一つに、肥満の人が多いことが挙げられる。これは放置できない問題であり、食事内容の見直しを主張する声は年々高まっている。

しかし、減量における低糖質ダイエットについては、いまだに賛否両論がある。反対派は、初期の体重減少は単なる体内水分量が減っているからに過ぎないと主張し、肥満の根本原因は炭水化物ではなく、単なる摂取カロリーの過剰にあると結論づけている。

確かに、この主張に疑いの余地はない。しかし、食欲のコントロールやホルモン分泌など、カロリー以外の要素にも目を向けるべきではないだろうか。

 

やっかいなインスリン

低糖質ダイエットは「インスリンダイエット」と呼ばれることもあり、減量にも大きく関係している。インスリンは膵臓のβ細胞から分泌され、血中の栄養素が効率的に細胞の中に運搬される。そのため、「貯蔵ホルモン」とも呼ばれている。

ボディビルダーにとって、インスリンは血中のアミノ酸を筋中に運搬するために必要不可欠な存在だ。実際、インスリンは成長ホルモンやテストステロンと並んで「三種の神器」の一つとして見なされている。

しかし、インスリンレベルが過度に高まると話は変わってくる。高インスリン状態は脂肪酸を積極的に脂肪細胞に送り込み、脂肪を合成する酵素を活性化させる。さらに、貯蔵された体脂肪の燃焼を妨げる作用もある。

つまり、インスリンレベルが高い身体は、脂肪を蓄えやすく、エネルギー源として消費しにくい状態にあると言えるのだ。低糖質ダイエットの基本的な考え方は、インスリンの分泌を抑制することにある。

この方法ではインスリンのメリットである筋中へのアミノ酸の取り込みも同時に抑制される可能性があるものの、いまだにこの減量法が支持され続けるのは、インスリンレベルを低く保つことが理にかなっているからだろう。

 

高インスリンの問題点

  • 血中の脂肪酸が脂肪細胞に送り込まれる
  • 脂肪細胞中の酵素が活性化し、脂肪の合成が促される
  • 体脂肪の消費が妨げられる

 

カロリー過剰だけが肥満の原因か?

「カロリーを抑えれば肥満になることはない」という主張はある意味正しい。

しかし、摂取カロリーを減らしても食後にインスリンレベルが過剰なまでに高まる「高インスリン血症」が起きることがある。この反応は、体脂肪過多と関連していることが多いが、「卵が先か鶏が先か」の理論のように、どちらが原因でどちらが結果なのかは完全には解明されていない。

試験管内での実験では、脂肪細胞にインスリンを大量に添加しても、脂肪細胞が肥大することはなかった。

しかし、そこに炭水化物(単糖)を加えるとスイッチが入り、脂肪の合成が積極的に始まったという。余談だが、タンパク質や脂質を追加しても同様の反応は見られなかった。

つまり、インスリンと炭水化物の組み合わせが脂肪細胞の肥大に不可欠であることが推測できるのである。

 

高タンパク質が必須

減量で低糖質ダイエットを実践する場合、高タンパク質の食事を取ることが一般的だ。 タンパク質には食欲を抑える作用があるため、減量としては効果的と言える。一部で言われている高タンパク質食によるカルシウム減少や腎臓への負担は、健康な人には当てはまらないとされている。

ボディビルダーをはじめとしたアスリートが減量を行う際、タンパク質はある程度まで増やす必要がある。

これは、タンパク質を増やすことで過度な摂取カロリー制限を避け、筋肉を維持するためだ。筋量が減少すると安静時の代謝率も下がってしまうため、タンパク質量は減量中も確保しておかなければならない。

ちなみに、余分なタンパク質は半分以上が肝臓でブドウ糖に変換され、脳や中枢神経系の主要なエネルギー源として活用されると考えられている。

低糖質ダイエットのー般的なメニュー

食事1:・チーズオムレツ(全卵3個、チェダーチーズ60g、ベーコン2枚)
・コーヒー1杯(低脂肪牛乳またはクリームを入れても可)
食事2:・水煮のツナ缶(180g)2つ(低脂肪マヨネーズをかけても可)
・チーズ120g
・糖質ゼロのダイエット飲料
食事3:・鶏胸肉のグリル180g
・インゲン豆1カップ
・ブロッコリー90g
・赤ワイン120cc
食事4:・牛の赤身肉240g
・サラダ1カップ(ビネガーやオイルドレッシングをかけても可)
食事5:・ミルクプロテインドリンク
・リンゴなどの果物1個

 

ケトン体のメリット

炭水化物の摂取量が不足すると、体内ではエネルギー源を脂肪に切り替え、副産物としてケトン体を生成する。ケトン体には、食欲を減退させる効果があるだけでなく、タンパク質の消費を抑制し、筋肉量を維持しながら体脂肪を減らすのを助けるというメリットがある。これは減量期間中に強い味方となる。

ケトン体の問題点として体液が正常よりも酸性に傾くアシドーシスや、アセトン臭(酸っぱい臭い)が挙げられるが、大きな問題とは見なされていない。

 

アンチ派の主張は本当か?

ある程度炭水化物を確保しながら減量しても、体重は落ちる。

しかし、同じカロリー量で低糖質食とそうでない食事を比較した研究では、低糖質食のほうが筋量を維持しやすく、体脂肪率も減りやすいという結果が出ている。もし体重減少が水分量に起因するだけならば、体脂肪率や筋量に差が出ることはないはずだ。

このことから、炭水化物の摂取量が摂取カロリーとは独立して体組成に影響を及ぼしていることが考えられる。

 

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