滝川クリステルのモノマネでおなじみ、吉本新喜劇の金原早苗さん。31歳で始めたトレーニングで理想を創る喜びに出会い、この春にはマッスルゲート沖縄大会で新カテゴリー「ビーチビキニ」を含め2冠を達成しました。舞台袖で先輩を巻き込み筋トレに励むなど、ポジティブな輪も拡大中。数字に縛られず「見た目」を磨く金原さんのこだわりを伺いました。
[初出:Woman'sSHAPE vol.32]【写真】吉本新喜劇女優・金原早苗さんのビーチビキニステージ写真
取材・文_藤村幸代 撮影_岡暁 ヘアメイク_福田奈々 Web構成_中村聡美

ビキニ姿の表紙は『Woman'sSHAPE』誌初!
その元気印の原点とは
━━舞台出演の合間の貴重な休日を取材に割いていただき、ありがとうございます!
金原 いえいえ、私こそすごく嬉しくて。前回取材していただいたときに「次は表紙を目指します!」と言ったんですけど、まさかこんなに早くお話をいただけるなんて。
━━『Woman'sSHAPE(ウーマンズシェイプ)』vol.31に登場いただいたあと、4月のマッスルゲート沖縄大会でウーマンズレギンスと、新設カテゴリーのビーチビキニで見事に2冠を達成されましたから。
- 4月24日(土)に開催された『マッスルゲート沖縄』。初開催カテゴリーの「ビーチビキニ163cm超級」で優勝を果たすと、続く「ウーマンズレギンス163cm超級」でも表彰台の真ん中へ。見事、2冠を達成した
金原 まだ日本一も取っていないというのに、ありがたい限りです。ただ、マネージャーに表紙って聞いたのが2日前くらいで。「え、え、表紙⁉」ってなって、とりあえず慌てて髪の毛も染めに行きましたし、家族や友達みんなに気の済むまで言って回りました(笑)。
━━『ウーマンズシェイプ』は創刊15年になりますが、ビキニ姿の表紙は初めてかもしれません。
金原 えー!じゃあこれまでで一番露出多めの表紙ですか。それはもう、さらに嬉しいです。同世代の方たちに「金原が脱げるなら私も」と思ってもらえたら光栄ですね。
━━今回は金原さんのルーツもぜひ伺いたいのですが、まず、その突き抜けた明るさは子どもの頃から?
金原 いやもう、ほんまにこのまんま成長した感じです。一言でいうなら「元気」。両親が自衛官だったこともあって体育会系な家で、1歳上の兄と走り回ったりキャッチボールしたり。小学校のときのスポーツテストも学年2位でした。
━━芸能界への憧れは昔から?
金原 芸人ではなくタレントになるのが夢で、卒業文集にもずっと書いていました。それで新聞の片隅のタレント募集に応募しようとしたんですが、「まだアカン。高校卒業してからにしぃ」と親に。で、いよいよ高校を卒業して芸能の学校に行こうとしたら、「授業料が高いから、安い吉本にしぃ」と、また親に。
━━まさにご両親に導かれるように吉本新喜劇へ(笑)。飛び込んだ芸能の道は想像通りでしたか。
金原 私は吉本といっても女性タレントコースだったので、女優になれるとばかり思っていたんです。でも、入ってみたらめちゃめちゃ芸人でした。ボケもめちゃくちゃ考えないとダメですし、必死に考えて、考えて、考えて、気づいたら「あれ、私芸人やん」みたいな(笑)。
━━新喜劇ではマドンナ的存在で人気を博す一方、滝川クリステルさんのモノマネで一気に全国区に。
金原 始めたのは7年前くらいですが、テレビで話題になった直後、コロナ禍になってしまって。でも、逆におうちで過ごす時間が増えたおかげで「あれ、この角度、北村一輝に似てるな」「金髪にしたらミラ・ジョヴォヴィッチかも」と、たくさん研究できました。
━━コロナ禍で芸の幅が広がった?
金原それとともに「私ってこんなにモノマネに向いてたんか」と気づきましたし、綺麗って言われるよりは「なんかオモロイ」って言われる方が嬉しいんやなっていう自分にも気づいて。そこからはずっとワクワクしながらやっています。
79歳の先輩まで!
吉本新喜劇の楽屋に広がる「筋トレの輪」
━━トレーニングはいつ頃から?
金原 モノマネよりちょっと早い、31歳のときですね。それまでトレーニングなんて全く興味がなかったし、自分はそこまで太らないと思い込んで、飲んだり食べたりしまくっていたんです。当時、同じ新喜劇の森田まりこちゃんが60㎏になったと聞いて、「60㎏?ありえへんわ!」って。その2、3カ月後に自分が60㎏になってました(苦笑)。30代に入ったらお肉の付き方が変わって、急に太りだしたんです。
━━きっかけは、やはりダイエットだったんですね。
金原 2カ月間で10㎏痩せたら全額キャッシュバックというキャンペーンがあって、筋トレとHIIT系、それに糖質制限を組み合わせたメソッドに参加したら、2カ月で12㎏痩せられました。まさかの40㎏台。そんな自分の姿、今まで見たこともなかったし、周りからも「そっちの方がいいよ」なんて褒められるし、着たい服が着れるようにもなるし、「痩せたらこんなにいいことがあるんだ」と思って。そこからはずっと、同じパーソナルトレーナーさんのもとに通い続けています。
━━トレーニング歴3年目の2021年に出産。産休を経てトレーニングを再開しました。しかも大会という高い目標を掲げた理由は?
金原 産休で1年半くらいトレーニングしていなかったので、体重は50㎏を切ったけど、筋肉がないから階段を上るだけで、ものすごくしんどいし、痩せているのにお腹だけぽっこり出ているし。まずは、そのぽっこりをなくしたいと思って再開したんです。それで、せっかくやるなら思い切って大会にも出てみようと。
━━モチベーションアップのための目標づくりに。
金原それもありましたし、正直トレーニング関係のお仕事も増やしたいという気持ちもありました。あとは……やっぱり、みんなに伝えたかったんですよね。
━━伝えたかった?
金原 はい。産後だって、トレーニングすればまた綺麗になれるんだよって。そのためにも、ちゃんと身体を作って、大会に出ようと。
- 初出場:2024年6月『マッスルゲート京都』で大会デビュー。4位入賞
- 2戦目:2025年9月『マッスルゲート奈良』では初戦の雪辱を果たし、優勝
- 3戦目:2025年12月『ゴールドジムジャパンカップ』予選敗退
- 4戦目:2026年4月『マッスルゲート沖縄』ではビーチビキニ163㎝。超級だけでなく、ウーマンズレギンス163㎝超級でも優勝
━━新喜劇の方々は、ボディコンテストについてご存知でしたか。
金原 知っている方もいましたが、「ムキムキの人だけが出るんでしょ」という方もいたので、「いやいや、女性の丸みも残しながら筋肉もつけて、その肉体美を競うんですよ」と説明して。そうしたら、裸になって着替えるたびに「めっちゃいい身体になってきてるやん!」とか「どうやったらそんな身体になれんの?」と。だから今、新喜劇の楽屋ではスクワットする人がめちゃくちゃ増えてます(笑)。ゆみ姉さんなんか2㎏のダンベルを買ってきて、舞台袖に置いて筋トレやってますから。
━━「奇跡の79歳」ゆみ姉こと末成映薫さんも!金原さんが筋トレ伝道者になっているんですね。
金原 みなさん、私の大会挑戦をすごく理解してくれているんです。みんなにはケーキを買ってくるのに、私にはゼリーを買ってきてくれたり。会場にも応援に駆けつけてくださったので、去年の(マッスルゲート)奈良かしはら大会で初めて優勝したときは、嬉しさと感謝で泣いてしまいました。
40代のビキニは恥ずかしい?
そんな時代にピリオドを
━━奈良大会で優勝したウーマンズレギンスに加え、沖縄大会では新部門のビーチビキニにも挑戦。ボディメイクに違いはありましたか。
金原 全然違いますね。海もビキニも大好きだから、新しいカテゴリーにワクワクしましたが、まず、お尻が隠れるレギンスとは違ってしっかりお尻を出すので、お尻の上がり具合が重要だし、スポブラのときより腹筋も見られるし、ほかにも脚の筋肉、ひざの筋肉……見られるところが一気に増えるので、下半身のトレーニングをまずはめちゃくちゃ増やしました。
━━特に課題だったのは?
金原 私の場合はお尻ですね。もともと背中のトレーニングが大好きで、上半身ばかりやっていたんですよ。逆にお尻の種目、特にブルガリアンスクワットが一番嫌い。それがトレーナーさんにはすっかりバレていたので、徹底的にやらされました。つらかったけど、ちゃんと仕上げられたときは「露出が多いことが嬉しい、早く見せたい」と思えましたね。
━━6週間連続の劇場公演など、超過密スケジュールのなかでの調整だったそうですね。
金原 公演が重なりまくっていたときは、2カ月くらいパーソナルに通えなくて、その精神的なストレスが大きかったです。だから、劇場近くの24時間ジムを2カ月間だけ契約して、舞台と舞台の合間に。1日4回公演なら、3回目終わりと4回目終わりに40分ずつ行くなど、スキマの時間を利用しました。あとは早朝に山を上り下りしたり、近くの坂道を見つけて上り下りしたり、舞台袖では、ゆみ姉さんの2㎏のダンベルを上げ下げしたり。
━━ゆみ姉のダンベルがここでも活躍を!ビーチビキニ初代女王の座も、もちろん狙っていた?
金原 そうですね。第1回ということは、まだ何の基準もないわけですよね。だったら自分がその最初になりたいなと思って。次の年からは、私を見た方が「こんな人が優勝するんだ」と思って、基準にして下さるかもしれませんし。新喜劇でも、2枚目路線とモノマネの変顔を両立させている人はいないので、そのジャンルの初代になりたいなと思っているんです。何でも「初代」っていいですよね。
━━ビーチビキニ優勝の瞬間は、思わず涙が流れていましたね。
金原 もう私、すぐ泣くやん(笑)。でも、目の前で娘も見ていてくれたし、「今度は沖縄?頑張りや!」って新喜劇の方たちにも見送られて、絶対に勝たなアカンというプレッシャーもすごかったし、新ジャンルのビーチビキニでまさか優勝できるなんて思わなかったし━━。ホントいろいろな思いがあふれてきての「すぐ泣くやん!」でしたね。

『マッスルゲート沖縄』で優勝のコールが響いた瞬間、目から涙がこぼれ落ちる。衣装は沖縄をイメージしたハイビスカス柄のトップスに、パープルのボトムス。規定のセットアップにとらわれず、個性を自由に表現できるのがビーチビキニの魅力だという
━━沖縄で2冠を達成し、目指すは年間王者決定戦の位置づけである12月のジャパンカップ?
金原 そうですね。そこで優勝できたら、大会出場も一区切りになるんかな。でも、今回の沖縄大会では2部門とも、審査員万場一致の1位ではなかったんですよ。それがちょっと悔しくて、「だったら満場一致にしたいな」と思い始めたり……。
━━目標達成!と思ったら、また次の目標が。
金原 そう!そうなんです。しかも来年は40歳。40代に突入しても、この綺麗な体型になりたいという思いもあって。もうやめどきがわかんなくなってる!とにかく今はジャパンカップでの初代ビーチビキニ日本一が一番の目標。あとは吉本の女芸人で鍛えてると言えば「金原」、舞台でビキニになるなら「金原」って、すぐ名前が出てくるように(笑)、いつでもビキニになれる身体を作っていきたいです。
━━それもトレーニング継続のモチベーションですね。
金原 常に筋トレしている身体と、全くしていない身体の恐ろしいほどの差を身をもって知ってしまうと、やらない理由がないんです。もうね、特に男性陣には「女子の洋服に騙されるな!裸の姿を見よ!」って声を大にして言いたい。体重にしても、鍛えていない48㎏の女性より、鍛えている52㎏の私のほうが、裸になったら絶対にスタイルよく、細く見えるんです。それは本当にもう、全人類に伝えたい。
━━全人類にまで!
金原 そうですよ、「全人類よ、騙されないで!」って。体重じゃなくて見た目だよって言いたいです。
━━トレーニングを始めたのは「60㎏」がきっかけでしたが、今はそんな数字など気にならない。
金原 いやいや、さすがに60㎏いったら気にしますけども(笑)、多少重くなっても見た目が整っていればいい。そう思います。だから数字はそこまで全然気にしないかな。
━━とはいえ、40代過ぎてビキニになるのは、個人的にはやっぱりかなり勇気がいります。
金原 分かる!分かりますが、もうそろそろ「40代がビキニになったら恥ずかしい、みっともない」という時代にピリオドを打ちたいですよね。ビキニになる、ならないは置いておいても、やっぱり自分が好きになれる身体を作って、堂々と誇れる世の中にしたい。私、つくづく思うんですよ。鍛えている人って本当に若返るし身体の肌艶も綺麗になるなって。私もめちゃめちゃヤンチャして大食いする日もあったり、忙しさを理由にサボったりする日もあるけど、こうして身体づくりが続いてます。だからみなさんも、私が参考になるかどうかは別として、ぜひ年齢で諦めたりせずに、一緒にどんどん綺麗になっていきましょう!

きんばら・さなえ
1987年3月19日、大阪府八尾市出身。164㎝。吉本新喜劇所属。滝川クリステルのモノマネをひっさげ、小泉進次郎役の信濃岳夫とのコンビで『ザ・細かすぎて伝わらないモノマネ』2019にて準優勝。2025年9月、マッスルゲート奈良かしはら大会のウーマンズレギンス部門で優勝。26年4月の同沖縄大会では、同部門と新設部門ビーチビキニの2冠を達成。



















