ピラティスはボディビル愛好家の間でも徐々に広がりを見せている。
7月26日、岡山県・岡山芸術創造劇場ハレノワの舞台に巨大で丸々とした筋肉を搭載した藤正和(ふじ・まさかず/38)選手が登場した。今大会は『JBBF第18回日本クラシックボディビル選手権』。171cm以下級で昨年に引き続き藤選手が二冠を達成した。
藤選手は丸々とした肩、腕、胸を持っており、特にフロントやサイドポーズの迫力で存在感を放った。トレーニング歴15年で積み上げてきた筋肉は、徹底した高重量トレーニング、そしてピラティスによるコンディショニングによって磨き上げられていた。
【写真】藤正和選手の「デカい!」「丸い!」胸、肩の筋肉(ステージ写真5枚)

「爆発的に力を出す」ことを最優先にしたトレーニング
藤選手が筋肥大のために最も大切にしているのは、高重量を扱うことだという。
「重量を無理やりでも扱い、爆発的に力を出すことを意識しています」
特に課題だったのが大胸筋だった。
「減量すると大胸筋が薄くなることに悩んでいました。でも、高重量ディップスを徹底的にやり込んでからは、減量しても大胸筋が残るようになりました」
その内容は、80kgを加重したディップスで6〜7回を繰り返すというかなり強度が高くハードなもの。
「あとトレーニングの他に、大会で水分と塩分を大量に取るようしたんです。以前は水抜きをしないといけないと思って水分を控えていましたが、筋肉をより張らせようと思って入れたことでステージ上でパンパンに張った筋肉を見せられるようになりました!」
課題と向き合い続けた結果が、今大会の丸々とした厚みある上半身につながった。
ピラティスとの出合いが膝の痛みを改善
現在では、トレーニングだけでなくコンディショニングの重要性も強く実感している。
きっかけは、勤務先系列のピラティスジムでの出会いだった。
「B-PILATESディレクターでインストラクターの小寺千保子さんに膝の痛みで何年も悩んでいたことを相談して、実際にやってみることにしたんです」
レッスンを受ける中で、自分では真っすぐしゃがみ、真っすぐ立っているつもりでも、過度に使っている筋肉や、逆に使えていない筋肉があることに気付かされたという。
「ピラティスを受けてから、まず身体をニュートラルな状態に整えることの大切さを学びました。特に僕は高重量でのトレーニングを行うため、こういった身体のコンディショニングは必要だと実感しています」
自身の経験から、ボディビルダーを含む筋トレ愛好家にもコンディショニングを勧めている。
「大きなケガをして後悔する前に、少し面倒でもコンディショニングをしてからトレーニングをしてほしいと思っています」
日本クラシックボディビル171cm以下級を制した藤選手。次なる目標は海外の舞台だ。
「タイミングが合えば、アジア選手権や世界選手権にも挑戦したいです」
巨大な筋量を武器に国内2連覇に輝いた藤正和選手。客観的視点を取り入れたピラティスのアプローチがさらなる肉体の成長を後押しした。
用語解説
クラシックボディビル(JBBF):
身長ごとに体重の制限があり、筋肉の大きさに加え、全体のバランスや美しい絞りが重視されるカテゴリー。
【JBBFアンチドーピング活動】JBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)はJADA(公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構)と連携してドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト団体で、JBBFに選手登録をする人はアンチドーピンク講習会を受講する義務があり、指名された場合にドーピング検査を受けなければならない。また、2023年からは、より多くの選手を検査するため連盟主導で簡易ドーピング検査を実施している。
執筆者:柳瀬康宏
『月刊ボディビルディング』『IRONMAN』FITNESS LOVE』などを中心に取材・執筆。保有資格は、NSCA-CPT,NSCA-CSCS,NASM-CES,BESJピラティスマット、リフォーマー。メディカルフィットネスジムでトレーナーとして活動もしており、2019年よりJBBF、マッスルゲート、サマースタイルアワードなどのボディコンテストに毎年挑戦している。
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取材・文:柳瀬康宏 写真:中原義史
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