サマスタ選手 コンテスト

会場がどよめくほどのフィジークでコンテスト初出場3冠達成 31歳会社員が毎日深夜3時間の筋トレを7~8年継続した驚きの生活

「今までやったフィジークの中で一番レベルが高かった!」

サマースタイルアワードの代表である金子賢氏がそう語るほどにハイレベルな戦いとなった『サマースタイルアワード大阪予選&ROOKIE CHALLENGE CUP大阪予選、NOVICE PRO WEST(7月11日開催)』。

フィジーク部門のトップ3は特に充実した筋肉量としっかりと絞りこまれた選手が並んだが、その中でも一際目を引いたのが会社員の酒井文平(さかい・ぶんぺい/31)さんだ。酒井さんはフィジーク部門で優勝し、オープンクラス男女総合戦のMVP、さらにフィジーク部門のPRO戦までも制して3冠を達成した。

驚くことに酒井さんは今回が大会初出場だという。しかしその裏には7~8年間積み重ねてきたトレーニング習慣があった。

【写真】初出場で3冠を達成した酒井文平さんのバキバキで厚みのある上半身を含む9枚

酒井文平さん

「まずはトレーニングを快適に楽しむ!」 深夜2時30分からの3時間に及ぶトレーニング

「会社員をしていて、基本的には残業はないので18時ごろには帰宅していることが多いです。そこからジムに行っても良いのですが、夜の時間はジムが混んでいて使いたいマシンが使えないことが多いんです。そこで、20時には就寝し、深夜1時に起床。午前2時30分から約3時間トレーニングを行うというスタイルで生活するようにしました。この時間はジムも空いているので快適にトレーニングができるんです」

この午前2時30分からの3時間トレーニングを週7回行うことが酒井さんの日課だ。起きてどうしても眠いときだけ休むが、ジムに行きたい気持ちが勝って結果的に毎日の習慣になっているそうだ。

もちろん、この生活が全ての人に向いているわけではない。それでも酒井さんは「時間がないなら少しくらいは睡眠を削ってでもトレーニングする」というほど、筋トレそのものを楽しんでいる。

そんな酒井さんが筋トレを始めた原点は、幼いころに父親と観戦したプロレスだった。

「父がプロレス好きで、5歳くらいのころに家族で試合を観に行きました。そのときに『いつかこんな身体になりたい』と思ったのが始まりです。ジムに通うまではひたすら腕立て伏せをしていました(笑)」

高校生までは現在より約20kgも軽い細身体型だった酒井さん。そのため、久しぶりに会った友人には本人だと気付かれず、「名前を伝えても『知りません』と言われることがあります(笑)」と振り返る。

実は長年、コンテストには全く興味がなかった。

「トレーニングは好きでしたが、食事制限は一切していませんでした。鶏胸肉の調理方法すら知りませんでした(笑)」

転機となったのは数年前の夏。「コンテスト競技者のような食事をしたらどうなるのか」と興味本位で食事管理に挑戦したところ、身体が大きく変化した。

「そこで初めて食事の大切さに気付きました。筋肉系YouTuberやボディビル、フィジークの大会を見るようになって、コンテストにも興味を持つようになりました」

「細かい理論より楽しむこと」が成長につながった

3時間ものトレーニングをしている酒井さんだが、以前は短時間トレーニングを重視していたという。

「当時は短い時間で終えることが正しいと思っていました。でも、トレーニングボリュームを増やしたら、短期間で全部位の厚みが明らかに増えました。僕は知識量が特別多いわけではありません。本当に純粋にトレーニングを楽しんできただけです。筋肉を増やすためには、最初から細かいことを気にし過ぎるより、まずは筋トレを好きになることが一番大事だと思います!」

大会へ向けたこの1年間は、友人との飲み会もほぼ断り、食事とトレーニングを徹底した。それでも10人以上の知人が応援に駆け付け、友人の父親は涙を流して喜んでくれたという。

「当日はトレーナーの吉良(友汰)さんに何もかもサポートしていただき、本当に感謝しかありません。僕ができるのは結果で返すことだけです。」

初出場で3冠という鮮烈なデビューを飾った酒井さん。その原動力は特別な理論ではなく、「トレーニングが好き」という純粋な気持ちを78年間積み重ねてきたことだった。

【SSAアンチドーピング活動】SUMMER STYLE AWARD(サマー・スタイル・アワード)はJBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)とアンチドーピング活動について連携を図って協力団体となり、独自にドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト団体である。全ての選手登録者はアンチドーピング講習の受講を必須としており、SSAから指名された場合はドーピング検査を受けなければならない。

取材・文:柳瀬康宏 写真撮影:岡暁

執筆者:柳瀬康宏
『月刊ボディビルディング』『IRONMAN』FITNESS LOVE』などを中心に取材・執筆。保有資格は、NSCA-CPT,NSCA-CSCS,NASM-CES,BESJピラティスマット、リフォーマー。メディカルフィットネスジムでトレーナーとして活動もしており、2019年よりJBBF、マッスルゲート、サマースタイルアワードなどのボディコンテストに毎年挑戦している。

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