マッスルゲート神戸大会(2026年8月1日、神戸芸術劇場)で、ひときわ目を引く筋量で存在感を放っていた辻昌也(つじ・まさや/34)さん。マスキュラーフィジーク一般の部で初優勝を果たし、メンズフィジーク一般の部176cm超級でも2位に入賞した。
陸上自衛隊の自衛官を経て、現在はトレーナーとして活動する辻さん。大きく発達した身体からは、強くたくましい人物を想像する。しかし本人は、自身について「根本的な内面は決して強い人間ではない」と語る。
【写真】辻昌也さんのベンチプレス170kgで鍛え上げた大胸筋

地元・神戸でつかんだ初優勝
今回、辻さんはマスキュラーフィジークとメンズフィジークの複数カテゴリーにエントリーした。マスキュラーフィジークも選んだ背景には、昨年の大会での悔しさがあった。
「昨年、マッスルゲート湘南大会のメンズフィジークに出場したのですが、新人の部と一般の部の両方で6位でした。そのときに『カテゴリー的には、もう一階級上でもよかったのでは』と言われたこともありました。ただ、当時はポージングなども含めて課題があったので、今回はリベンジしたいという気持ちもありました」
昨年の経験を糧にトレーニングやポージングに取り組み、迎えた地元・神戸での大会。マスキュラーフィジーク一般の部で頂点に立ち、メンズフィジークでも2位に入賞した。
「将来、ゴールドジムジャパンカップに出場できたら、という目標を持って取り組んできました」
初優勝は、その目標に向かう大きな一歩となった。
また、現在の辻さんを語る上で欠かせないのが、胸のトレーニングだ。意外にも、もともとは胸が苦手だったという。
「部位としては背中が得意でした。その分、胸で押す種目が弱かったので、苦手だったベンチプレスなどを積極的に取り入れるようにしました」
苦手だった胸を克服、170kgへ
現在、体重88~90kgの時期にはベンチプレスで最大170kgを挙げるまでに成長。苦手だった胸は、今では自身の身体を構成する大きな強みの一つとなっている。
「今回の大会に向けては体重80kgまで落としているので、扱える重量は下がります。ただ、去年の減量期より扱える重量が10kg増えていたので、トレーニングとしては成功したのかなと思います」
普段のトレーニングは、胸・背中・脚の3サイクルを基本に、その中に腕や肩のトレーニングを組み込んでいる。
苦手な部位にも向き合い、日々のトレーニングを積み重ねる。その繰り返しが、現在の身体をつくっている。
「身体が大きいからといって、中身まで強いわけではない」
明るく活発な印象の辻さん。しかし、本人が語る自身の内面は、少し違う。
「明朗快活で活発な性格だと思いますが、根本的な内面は決して強い人間ではありません。身体が大きいからといって、中身まで強いわけではないと思っています」
目指しているのは、身体だけの強さではない。
「だからこそ、身体だけではなく内面もしっかり鍛えていきたい。僕自身、弱い部分があるからこそ、誠実で、人の痛みにそっと寄り添える、温かい人間を目指しています」
「継続は力なり」を胸に、次なるステージへ
「すぐに結果が出なくても、『継続は力なり』で続けていくことで少しずつ身体や気持ちが変わり、『前の自分より成長できた』と実感できる瞬間があります」
自身も小さな一歩から始め、10年間の継続によって身体を手に入れた。
「『自分には無理』と決めつけず、まずは小さな一歩を踏み出してほしい。その一歩が、何年後かの自分を大きく変えてくれるかもしれません」
【マッスルゲートアンチドーピング活動】
マッスルゲートはJBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)とアンチドーピング活動について連携を図って協力団体となり、独自にドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト大会である。
都内の出版社で数学書の編集者として勤務。
ゴールドジムでトレーニングに励み、ボディビル競技に挑戦中。2024年マッスルゲート埼玉大会ボディビル65kg以下級3位、2025年東京ノービスボディビル選手権大会男子ボディビル55kg以下級2位。
競技者としての経験を生かし、筋トレ情報サイト「FITNESS LOVE」で取材・執筆を担当。
徳島県徳島市出身、神奈川県大和市在住。
取材・文:久米大郎 写真:岡暁










