筋肉を増やすために食事量を増やしたものの、脂肪ばかりが増えてしまった。反対に、食べたくても食べられず、体重が増えない。そんなバルクアップの悩みについて、マッスルゲート出場選手225名にアンケートを実施。失敗原因をデータで分析するとともに、選手たちの実体験から、理想の身体づくりにつながる食事戦略を探る。
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文・構成:小笠拡子 写真提供:選手本人 Web構成:中村聡美
少数派【食が細い人】の課題ランキング
第1位 食事回数が少ない
25人中10人が回答
中村寛丞選手(20)
身長174㎝/体重(オン)64㎏・(オフ)74㎏
僕は胃が弱く、食べてもなかなか体重が増えないタイプでした。脂質の多い食事やジャンクフードを試した経験もありますが、最終的には「自分の身体に合う食材を見つけること」がバルクアップ成功の鍵だと考えています。僕の場合は白米が反応良くて、お腹を壊しにくかったです。それを見つけた上で、食事の回数を増やしていきました。
正直、お腹の調子を多少崩すこともありましたが、それを上回る量を優先して食べ続けたんです。結果、緩やかではありますが、半年ほどかけて10㎏近く増量できました。もともと脂肪が付きにくい体質もあって、10㎏増でも腹筋や腹斜筋はしっかり見えています。
バルクアップに悩んでいる人には、とにかく食事の回数を増やすことを勧めたいです。一度に多く食べられないなら、回数でカロリーを稼ぐ。あとはカロリー計算も効果的だと思います。自分では食べているつもりでも、実際は全然足りていない人が多いはずなので、数字で把握すると効率良く増量を進められると思います。
藤田裕行選手(46)
身長176㎝/体重(オン)64㎏・(オフ)76㎏
もともと176㎝・55㎏のガリガリ体型で、「線」とか「もやし」ってよく言われていました。バルクアップしたくても、少食ですぐにお腹いっぱいになってしまうのが大きな悩みで。食べる量をなかなか増やせずダーティーバルクに頼った結果、脂肪が増えすぎてしまってその後の減量に苦労しました。また、マルトデキストリンやバルクアップ系のプロテインも試しましたが、身体に合わず肌トラブルに悩まされた過去もあります。
それまで持っていた「とにかくカロリーを入れたらいい」という考え方ではいけないと思い、小さいおにぎりを何個か作って小分けに食べるなど、無理なく食べられる工夫を取り入れるようにしたんです。時間はかかりましたが、普段の食事から少しずつ摂取量を積み重ねることで、結果的にバルクアップを続けられるように。
「どれだけ食べるか」だけじゃなく、「自分の身体が無理なく受け入れられる方法を見つけること」が大事だと思います。焦らず、自分に合った食べ方を探してみてください。
「胃腸にやさしい小分け食」が、少食トレーニー増量の最短ルート
第2位 食事量そのものが足りなかった
25人中9人が回答
石川清翔選手(24)
身長174㎝/体重(オン)60㎏・(オフ)73㎏
僕自身は「ちゃんと食べているつもり」でいたんですが、実際に自分が食べているもののカロリー計算をしてみたら全然足りていませんでした。それをきっかけに、食事を1日4食に増やして、タンパク質は体重1㎏あたり2〜2.5gを目安に摂取。増量期でも毎日カロリー計算と体重測定を欠かさず行うようにしました。
地道な積み重ねでしたが、筋トレを始めた頃は体重52㎏だったのが、2年間で73㎏まで増量することができました。バルクアップに悩んでいる人は、米をたくさん食べてください。
「食べているつもり」を今すぐ捨てろ!数字で見える化する「体重&カロリー計算」
第3位 食が細いのに脂質・ジャンクが多過ぎた
25人中3人が回答
伊藤直人選手(34)
身長168㎝/体重(オン)63〜64㎏・(オフ)68〜70㎏
ジャンクフードを中心に増量を試みたことがあるんですが、脂肪がつきすぎてトレーニングの質も下がり、その後の減量にもかなり苦労しました。その苦い経験から、やみくもに増やすのではなく体重のリミットを決めて食事量を調整するように変えました。自分の場合は、70㎏までという無理なく減量できる数字で、制限を設けたんです。そして当たり前のことですが、ジャンクフードは食べないようにしましたね。結果、コンテスト時の体重約63㎏から、腹筋が見える状態を維持したまま68〜69㎏まで増量することができています。
食が細いタイプの方は「体重を増やすこと」自体を目的にしないでほしいと伝えたいです。あくまで「トレーニングの負荷を上げるためにカロリーを増やす」という考え方で食事量を調整するのが大切だと思います。数字だけを追いかけると脂肪が増えすぎたり、逆に食べられなかったりするので、目的を見失わないことが増量成功のポイントだと感じています。
減量のことも考えて増量のリミットを決め、腹筋が見えるクリーンなバルクアップへ
食べているつもりでもエネルギー不足に?!
食が細い人に共通する失敗と改善策
「食が細く、体重を増やしたくてもなかなか食べられない」と答えたのは225人中25人。失敗原因(複数回答)の最多は「食事回数が少なかった」「一度にたくさん食べようとし過ぎた」の各10人(40%)。次いで「食事量そのものが足りなかった」が9人(36%)だった。食べる意欲はあっても一度に多く食べられず、必要なエネルギーを確保できないのが共通の課題。
「食べているつもり」でも、計算すると摂取量が不足していたとの声もあった。
改善策で目立ったのは、一食の量を無理に増やさず、1日4〜5回に分ける工夫だ。小さなおにぎりを間食にしたり、白米などの炭水化物を増やしたりして、摂取エネルギーを積み上げる。プロテインや糖質を補食に活用した選手もいた。一方、手っ取り早く増量しようとジャンクフードに頼り、脂肪増加や体調面の問題に悩まされた例も。胃腸の調子に合う食材を探す、カロリーと体重を記録する、増量ペースを決めるなど、方法は選手ごとに異なる。共通するのは、無理に詰め込むのではなく、自分が続けられる食べ方を見つけることだ。
食が細い人のバルクアップは、量だけでなく、食事回数や内容をどう整えるかが鍵になりそうだ。
※アンケートで「食が細い」と回答した25名を対象に集計。「両方経験した」と回答した32名は含めていません。失敗原因は複数回答です。
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